「――イルカかわいい…」
影が呟いた。
それが余り嬉しげで甘い声だったので、カカシはむっとして、思わず腰を強く押し付ける。
「ぁッ…!」
イルカがぐっと喉を反らした。口に含んでいた影のペニスが離れる。カカシはそれを見て、腰を突き上げた。
「ぅ、ぁ、っ…はぁっ…」
イルカは細く声を上げながらも、何か探すように、手と顔を動かした。
「なーにしてるの?」
「俺の、しゃぶりたいんだよね、イルカせんせ」
「お前に訊いてないよ」
全く同じ声が、四つん這いのイルカの前後で会話する。
カカシがアヌスに挿入し、そして影分身のカカシは、イルカの口の中を楽しんでいた。
これはカカシが、誕生日だから、とリクエストした行為だった。
それにしては分身と口喧嘩なんかして――とイルカはあきれながら、リクエストに存分に応える為に、尻を突き出してカカシを促し、影のペニスを咥え直した。
「はぁっ、イルカ…」
擦れた声が二重になって吐かれる。
カカシと影はもう口をきかず、それぞれの動きに熱中し始めた。カカシが熱い手でイルカの尻たぶを揉み、影が緩く腰を動かしながらイルカの乳首をこりこりと弄り回す。
「ぅ、ん…ふぅ、っ…んん…」
鼻にかかった甘い声と、二ヶ所からの水音が響く。
しばらくそうした後、ふと影が、手を伸ばし、イルカの背筋を撫で下ろした。それにカカシが片眉を上げ、影に一つ目線を投げる。
彼らは目を合わせ、薄く笑った。
カカシが、掴んでいたイルカの尻から、手を退かす。
すると影の指が、カカシのペニスが埋まっている部分に触れた。限界まで引き延ばされた薄い、敏感な皮膚をぬるぬると撫で回す。
「ぁっ、ンッ! や、…あぁっ!」
イルカが顔をベッドに押し付けて悶えた。
「すごいねぇ、いっぱいだ」
「く、っイイよ、イルカ…」
楽しげな声と、擦れた声が重なる。
影は微笑ってアヌスの縁を撫でながら、イルカの顎を持ち上げてその表情を見ていた。
カカシは奥に差し込んで押し付けているだけで感じる、揉み込むような温かい中の感触を楽しむ。
「ぁっ、はン、あァ…」
イルカは感じ入った声を零し、ゆるゆると尻を回した。それにカカシが煽られて、最奥を突くように腰を打ち付け始めた。
「……ねぇイルカせんせ、こっちもして。さみしいじゃない」
二人で盛り上がっているのが気に食わなかったのだろう、影が唇を尖らせて言った。
「はッ、あ、あぁっ、ああッ」
イルカが懸命に首を反らせる。だが、カカシに激しく揺さぶられている所為で、中々口には入れられない。
「あぁ…かわいいよ、イルカ」
影がイルカの頭を撫でながら、興奮し切った声で囁く。
余程イイものを見ているに違いない。カカシは、羨ましい、と影を睨んだ。
「なによ、後で見られるじゃない」
カカシのその顔を見て、影が笑って言った。
確かに、影分身を解けば、影が見たもの全て、本体であるカカシのものになる。それを思うとカカシは楽しみになって、打ち付けていた腰を緩い動きに戻してやった。
「イルカ……」
影が呼ぶと、イルカは体勢を整えた。荒い息ではずむ肩を動かし、影の腰を抱え込むように抱く。
「ふぅ、ン…んっ、んぅ…」
くぐもった呻き声をもらしながら、イルカの頭が上下に激しく動いた。
カカシの方からは見えないが、口いっぱいに頬張ってくれているのだろう。カカシは息を荒くして、イルカの動きを邪魔しない程度に腰を回した。ぐねぐねと中を捏ねると、イルカはびくびくと震える。同時に肉壁がうねり、締まるのが堪らなくよかった。
そうしている内に、影の余裕がなくなった。
イルカの頭を両手で支えながら、眉を寄せて、深い吐息を幾度も漏らす。
「ふっ…イルカ、出す、よ…」
呻くように影が言うと、イルカの頭がふっと止まった。出る、という申告に従って、続きは手でしてくれるのだろう、とカカシは思った。
だが、
「っん、カカシさ…出して――」
それだけ言ってイルカはすぐにまた、咥え込んで、頭を上下に動かし始めた。
飲みたい、と言っているようなその態度と、いやらしい水音に、カカシは耐え切れなかった。イルカの尻を指が食い込む程押さえつけ、激しく腰を振りたてる。
「ぅん、ふ、っ! んっ、ぅぅ!」
奥を突くと苦しげな声が上がるが、その度にきゅうきゅうとアヌスが締まる。カカシはそれに搾り取られるように射精した。
「くっ……!」
と、ほぼ同時に、影もイルカの口の中で達したらしかった。
カカシは、イルカの尻に腰を押し付けて射精しながら、両手を上げる。早く、最中のイルカの可愛い顔が見たかった。
荒い呼吸のまま素早く印を切る。影が消え、カカシの中に戻ってくる。
するとカカシの頭に、一気に、影の記憶と感覚がなだれ込んできた。
――イルカはとても熱心に、まるで美味しくてたまらないと言うように夢中で、しゃぶってくれていた。
後ろから激しく突かれても、懸命に舌だけを伸ばして、舐めてくれた。
その口腔の温かさや舌がいやらしく蠢く様、ペニスの形に歪んだ頬、後ろを突かれる度に痙攣する喉、快楽で潤んだ目、吐き出された精液に苦しそうにしながらも吸い付いて啜ってきた感触――
「ぐ、ぅあ、ッ、ぁ……!」
カカシは悲鳴を上げ、がくがくと腰を振った。もう出し終わる筈だったペニスから幾度も精液が迸る。
目玉がぐるりと回るようだった。視界は狭まり、身体が勝手に小刻みに動く。
「あッ、ぁ、や、ッはぁん…!」
イルカの声がする。苦しそうな声だと思った。カカシ自身も苦しかった。それでも腰を止められない。
「ぁ、あイルカ…ぅぐ、イル、カ…!」
カカシは獣が吼えるように喉を仰け反らせた。
そのまましばらく震えた後、突然ばたりとイルカの背へ倒れ込む。そしてその背を掻き抱いて、ふっと意識を手放した。