受付の前の内勤中忍の物語
ああ、そうだよ。俺が第一発見者。本当、驚いたよ。イルカと交代しようと思って受付に行ったら、はたけ上忍が血流して倒れてたんだから。
いや、そもそもさ、俺がイルカに頼んだんだ、深夜受付2時間だけ代わってくれって。子どもが熱出しちゃってさ、寝着くまでは傍にいてやりたくて。だけど、失敗だったなァ。まさかこんなことになるならイルカには頼まなかったよ、俺だって。はたけ上忍の隊が今日夜報告に来るってのは分かってたから。あの二人があんまり仲良くないのも有名だし。
いやでもまさかあのイルカとはたけ上忍が私闘だなんてなァ…信じらんないよなァ…。いや、私闘だろ、多分。だって暗部とアスマ上忍が駆けつけてさ。さっき怖い顔した火影様も入ってったよ。何か処分があるんじゃないか?
イルカにもさ、聞いたんだよ。何があったんだ、何したんだって。そしたらあいつ赤い顔して何も答えないんだ。何でもない、俺は何もしてないって繰り返すだけでさ。私闘が禁止されてるからかね? それにしたって、中忍があのはたけ上忍を伸したんだぜ? こっそりでも自慢すりゃいいのに。
はたけ上忍? まだ目覚めないみたいだよ。ああでも大した怪我もしてないらしい。どういうことだか分からないけど。俺すぐ追い出されちゃったし。
あ、この話、オフレコだから。まずいだろ、やっぱ。私闘で上忍が中忍に伸されたなんて有名になったら。言うなよ、誰にも。
火影に問われたる暗部の物語
はい、確かに先輩と同じ任務でした。
それがさっき終わって、僕はすぐまた違う任務だったので、先輩が報告書を出しに行って下さったんです。今日なら大丈夫、とか呟いてました。…いや意味は僕には分かりませんけど。
それで、一度僕は装備を整えようと帰りかけたんですけど。
どうも只ならぬチャクラを感じて……。
いえ、先輩のチャクラだっていうのは分かるんですけど、それが何と言うか、こう色で言うと…赤より禍々しくはないんですけど、真っ白じゃないと言うか。
殺気とかではないと思ったんですけど……まさか中忍とやり合ってたなんて……しかも負けるなんて……信じられません。
いや、でも、先輩ちょっとお疲れ気味だったみたいですね。暇がないって珍しく愚痴ってましたし、任務中もぼーっとしたり、急にニヤニヤしたり…びっくりしました。あ、もちろん、任務は完璧ですよ! 手を抜いたりする人じゃありません! でも、そうですね、以前では考えられない感じでした。
……ええ、そうですよね、火影様。良いことかも。(快活なる微笑)先輩は今までちょっと気を張り過ぎだったんです。
ああ、でも明日はお休みだと言ってました。嬉しそうでしたね。…そういえば、前は休みなんか寝るか本読むかだけだからなぁなんて言ってましたけど、ここ最近は休日に用があるみたいでした。
あ、すいません、なんか雑談になっちゃいまして。先輩も大丈夫そうで、安心してしまって。
……はい、このことは内密に。もちろんです。
では僕は任務に行って参ります。
火影に問われたる上忍の物語
ああ、俺は待機中だった。丁度受付の下の階にいた。
ぼーっとしてたら急にでかい音がしたから驚いたぜ。床に何か倒したような音だった。その音が受付からだってのはすぐに分かったし、イルカが受付にいるってのも知ってた。待機所行く前に会ったからな。だから、イルカに何かあったのかと思って、見に行ってやったんだ。
階段降りる間に、だんだんカカシの野郎のチャクラが感じられた。俺は咄嗟にまずい、と思ったね。ついにやりやがったかってな。
深夜の誰もいない受付にイルカが一人だぜ。カカシが何もしない訳ないだろ。(皮肉なる微笑)
だから行きたくはないが、イルカが可哀相なんでな、駆け付けたさ。
そうしたら、カカシが倒れてた。イルカは泣きそうになってカカシの顔の血を拭ってた。ありゃ鼻血だな。(嘲笑)
ああ、その場に一人受付で良く見る中忍がいたから追い出しといた。一応口止めはしといたぜ。でもまぁ無理だろうなぁ。私闘だ、とか言ってんじゃないか?
それにしても、カカシの奴、鼻血噴いて返り打ちか。里の誉がイルカの前じゃ形無しだ。笑えるぜ。(ほとばしるごとき笑い)
うみのイルカの懺悔
カカシさんは何も悪くありません、火影様。
何があったか? それは…その…俺にも良くわからないんですが……(長き沈黙)
私闘?! 違います! お、俺はカカシさんにはその…何も…。
何もしなかったか? は、いえ、あの、話は……話はしました。二言三言ですが。
どんな話か…それは……。俺は…俺は只、正直な気持ちを言っただけです……。
何を言ったかは…その……。(再び長き沈黙)
…やっぱり俺が悪いんです…何も言わずに家に帰って頂けばよかったのに…。無理させようとして……。鼻血出して倒れるなんてよっぽど疲れてらしたのに…俺は…何てことを……。
ごめんなさい、カカシさん……(あとは口を閉ざし、言葉なし)
目覚めたはたけカカシの白状
……あれ。イルカ先生は?
帰らせた? あ、そう。じゃ俺も早く帰んなきゃ。
――えーー? 何で倒れてたか説明してからー? はいはい、分かりましたよ。
えーと、報告書をね、出しに来たんですよ。テンゾウが…あれ、ヤマトだっけ? トマト? タマゴ? ま、何でも良いんだけど、すぐ任務だって言うから。
そしたらイルカ先生がいたものでつい…こう……。
いつもは俺だって気を付けてるんです! イルカ先生が深夜受付にいる日は避けてましたよ。深夜だとだーーれもいないでしょ。そしたらちょっと不埒なことを考えちゃうじゃないですか、男なら。
え? 暴力? 何言ってるんですか! 何で俺がイルカ先生に暴力振るわなきゃいけないんですか! そういうプレイならまだしも!
…は? 俺たちは仲悪いと思われてる? はぁ、まあそうでしょうねぇ。イルカ先生が恥ずかしいからって、人前で仲悪い振りまでして、イチャつかないように気を付けてますから。
あれ、火影様ご存知なかったですか。俺達付き合ってるんですけど。なんだ、火影様って何でも知ってるのかと思ってたのに。やー、案外隠し通せるもんですねぇ。あ、でもアスマは知ってますよ、言ってなかったですか?
――で、結局何があったのか、ですか。
いや、これがお恥ずかしい話で。
俺ね、明日お休み貰ってるんですよ。それでイルカ先生も明日お休み。だから明日会いましょって約束してたんですけど、報告書出しに行ったら、予期せずいた訳ですよ。イルカ先生が。受付に。最近立て込んでたもんだから中々会えてなくて、しかも疲れる任務の後ですよ。いきなり二人っきり。これ、どうすべきです、男なら? そりゃ夢の受付プレイでしょ、火影様。
……ま、それは冗談としても、誰もいない部屋ですから、ちょっとくらいはコイビトとして話してても良いかなーっと思って、会いたかったーだの、寂しかったーだの一頻り言っちゃいました。
そんで俺としてはイルカ先生も疲れてるだろうから、予定通り明日会えれば良いや。今ちょっとでも会えて幸せー良い夢見れそーなんて思って帰ろうとしたら、イルカ先生ったら…「俺も会いたかったです」なんて赤い顔で言うんですよ。これが据え善じゃなきゃ何だって言うんです。思わず抱き締めちゃって、ちゅーしちゃいました。
怒られるかなーと思ったら、何と。怒られるどころか、トドメ、さされました…。
耳元でねー言われちゃって。「もうすぐ交代ですから……続き、家で…」って。
もう俺、ブーですよ、鼻血ブー。倒れちゃいました。かっこわるー。
いやーでもその位嬉しくって。
だって、人いないからって、受付で、ねぇ。これから燃えましょう宣言ですよ? カカシはずかしー! でもうれしー!
あー思い出したらまた鼻血が……。
あ、そう言う訳でイルカ先生が待ってるので帰ります。これから燃えるんで。
――はぁ? 何ですか、まだ何か?
…え、誰かに見られちゃったんですか? あらら、恥ずかしい。
私闘でイルカ先生に伸されたって言われるかも? えぇーー? 何それ、色気なーい。
え? ああ、俺は別に上忍の名誉とか如何でも良いですけど。
示しがつかない?
そーんなの真実を言えば良いじゃないですか。
…あ、じゃあ丁度良いから俺とイルカ先生がイイ仲だっての、言い触らしますよ。俺はイルカ先生の一言で鼻血噴いて倒れる位イルカ先生にベタ惚れーってね! ま、こうなっちゃったらイルカ先生も許してくれるでしょ。良いですよね、火影様?
じゃ、そういうことで。
三代目火影の独白
もう如何しろっちゅうんじゃ………。
カカシをもっとキモくする予定が失敗しました。(言うべきところはそこじゃない)