こんばんわ、はたけカカシです。
突然ですが、昨夜、俺の嫁に大変なことが起きました。
それは、俺が任務を終わらせて帰ってきた、草木も眠る丑三つ時のことでした――
その時、深夜だったので当然、イルカ先生は寝ていた。
ベッドの上で布団にくるまって、かすかな寝息を立てている。帰ってきたという実感に淡い幸福感を抱きながら、俺はそっとその中にもぐりこんだ。
途端、違和感を感じた。なにやら、つるんとしたものに触れたのだ。つるん、である。中々触れたことのない感触であった。
どゆこと? と思った俺はそっと布団を持ち上げた。
月の綺麗な夜だった。イルカ先生宅の頑としてカーテンをつけない窓から、月影が射す。蒼い光に映し出されたのは――ランジェリーを着たイルカ先生だった。
「なっ、ななな、…!」
「なんですかあ、うるさいなあ」
イルカ先生は機嫌悪そうに片目だけ開けた。ランジェリーで。
「なななな、なん、な、え? え? なに?」
「はあ? 『なに?』なのはこっちですよ。寝てたのに」
テンパる俺に反して、イルカ先生は冷静に返す。もちろん、ランジェリーで。
「え、え、あのそのカッコは…なんですか」
「寝間着ですが」
しつこいようだが、イルカ先生はランジェリーを着ている。イルカ先生がどう言おうとも、それはもうランジェリーである。
「なるほど」
俺はふぅっと一つ息を吐き、そっと写輪眼を出す。……が、やはり見えるのはランジェリー姿のイルカ先生であった。
「ランジェリー!!」
「うるさっ!」
俺の魂の叫びに、イルカ先生は両腕を上げて耳を塞いだ。身体に張り付いたランジェリーがつるりと肌を滑り、割れた腹筋が露わになる。
そしてその時ようやく、その下の、ぴっちりとした下着もまた同じ布地だと気付いた。
「ランジェリー!!」
俺の魂は再び叫んだ。その声は辺りに響き渡っただろう。近所迷惑この上ない。
しかし、誰も俺を責められない筈だ。なんせ、ぱっつんぱっつんなのである。下着が。つまり、パンツがパッツンパッ……いや、何でもない。
ともかく、冷静になって順に見ていこう。
まず、なだらかで色っぽい線を強調するような細い紐が肩をなぞり、レースの付いた胸元からは、盛り上がった胸筋が見えている。ちょっとずらせば、素敵な乳首も丸見えな、際どい配置である。そして、下着、つまりパンツは、麗しく筋張った足の付け根をレースで飾るだけでは飽き足らず、これでもかと股間にピッタリと張り付いて、イルカ先生の逞しい男根の形を露わにしていた。
「ランジェリー!!!!」
俺の魂は三度叫び、ル○ンも真っ青な早業で服を脱ぎ捨てると、ランジェリーに顔から突っ込んだ。
「つるんとする! つるんとするう!」
叫ばざるを得ない程に、つるんとしている。魚市場のマグロのごとくに滑れそうである。
俺はその感触を頬擦りして楽しんだ。
「ちょ、ちょっと、カカシさん……」
困惑気味のイルカ先生の声が降ってくる。
変な楽しみ方をしてないで、早く本題に入れということかムフフ、と思い、それならばと早速、強調された股間に顔を埋めた。
やはり、つるんとしている。ぐっと鼻を押し付けると、つるん、と逃げた。何度もそうやって、下着の中を左右につるつる滑らせる。
「あ、カカシさん、やめてっ…」
イルカ先生は両手を俺の頭にやって、ぐいと押しのけようとした。しかし、力は弱い。何を隠そう、もう反応してきちゃってるのだ。イルカ先生のぱつぱつパンツは、はち切れんばかりである。うりうりと鼻先で動かすと、腹側のレースの隙間から、先端がコンニチワした。
それをレースごと、べろりと舐める。レースのざらざら感が新鮮だったに違いない、イルカ先生は顎を反らして震えた。
「やっ、やだ…あ…」
「なあに言ってるの、もう。イルカせんせったら、こんなカッコしちゃってる癖に」
逃げようとする腰を捕まえて、レースを擦り付けるようにしながら舐めた。
「分かってますよ、大丈夫。今夜は寝かせません、ランジェリー」
「何言って…、あっ」
イルカ先生の棹を下着越しに擦る。レースとつるつるが滑って、もうコンニチワしているのは先端だけではなくなった。ぱつぱつパンツは、今度は愛らしい二つのタマタマに張り付いている。布ごと口に含んでちゅっと吸い付くと、唾液に濡れて更にピッチリした。
「すごいカッコ、せんせ」
「…も、誰のせいで…」
「ん、ごめーんね」
伸び上がって、口付ける。今夜初めてのキスだった。なんたってイルカ先生がヤル気の余りにランジェリーだったので、俺も焦っていた訳だ。だが本来なら、二人ともキスからじっくり、が好みである。イルカ先生も両手を首に回して応じてきた。舌をゆっくりと絡ませる。
「ね、イルカせんせ…こんなの、自分で買ったの」
キスの合間に訊く。こんなものを誰かに買ってきて貰う訳にもいかないだろうから、訊くまでもないのだが、まあ要するにイルカ先生の恥らう姿が見たかったのである。
だが、「…どれ…?」とイルカ先生はしらばっくれた。
イルカ先生がその気なら、俺としてもそういったプレイをするにやぶさかではない。さてと、とでも言わんばかりにニヤニヤ笑って上半身を起こし、指先で胸元のレースを撫でた。
「これですよ。いやらしい、こーれ」
言いながらランジェリーをちょっと引っ張ると、ちらっと素敵な乳首が見えた。そうしてターゲットの位置を確認すると、布の上からくりくりと撫で回した。
徐々に固く尖っていく形の通りに、張り付いた薄い布地がいやらしく突起する。ココダヨー! と呼んでいるかのようだったので、呼ばれるまま弄り回した。
「あっ…やだ、も…」
布越しの刺激がもどかしいのだろう、イルカ先生は自ら脱ごうと裾を引っ張った。俺はその手を掴んでベッドに押し付ける。
「だーめ。まだ答えてないじゃない」
「なに…?」
「自分で買っちゃったんですかって聞いてるの」
「だから何を…んっ…!」
まだまだ白を切るイルカ先生にお仕置きとして、布越しに乳首を摘まんだ。やっぱりつるんとして左右に逃げていくのを、追いかけて弄る。
「ね、なんでランジェリーにしたの? 猫耳もイイよね」
コスチューム系と言えば、ぱっと思いつくのは猫耳尻尾だろう。犬派の俺でも、にゃん、とか言われたら屈服せざるを得ない、不思議な魅力が猫コスにはあると思う。
だがもちろん、ランジェリーが悪いという訳ではない。
腰を押し付けると、つるつると滑って、いつもとは違う妙な快感がある。腰を揺らし、勃起したものを布越しに擦り付けた。
「…ランジェリーもイイね。ね、せんせ…」
「あっ…なに、っ、ラン…ジェリーて…」
耐えられないという風に、おずおずと腰を揺らめかせながら、イルカ先生が言った。プレイ続行のようである。なんだか妙に苛められたいキ・ブ・ン☆なのかもしれない。もちろん俺も、やぶさかではない。むしろ、喜んでぇ! と叫びたい気分である。
「ふふ。あなたが今着てる、これデショ。ランジェリーちゃん」
ここぞ、とばかりに、責め立てる。腰を押し付けながら、乳首を指で弄り回した。
「はぁ、んっ…やだ、カカシさん…」
嫌よ嫌よも何とやら、である。イルカ先生は身悶えつつ、腰を可愛らしくふりふりしている。この薄布一枚隔ててのもどかしさが、かつてない大胆さを引き出させているのだろう。ランジェリー万歳である。
「ランジェリー着て、こういう事したかったんだねえ」
「こ、れはちが…ぅあっ」
「じゃあ、勝負下着? やらしいせんせ」
「や…ぅ、ちが、あ、…」
イルカ先生はまだまだ粘る。ついでに下半身も粘っている。ねばねばとろんとした液体が俺の腹を汚していた。
「ね…ちゃんと言って、あなた、何着てるの?」
「はぁっ、んん、あッ…」
訊いてはみたが、頑張ったイルカ先生もついに限界のようである。ついでに下半身も……まあ以下は同文なので略する。とにかく、イかせてあげようと、腰の動きを早めた。
「あっ、こ、れは…んっ!」
だが流石、俺の恋人。イルカ先生は質問に答えようとしていた。イク瞬間までプレイ設定を忘れない。イチャイチャ道を極めている、素晴らしい人だ。
俺はお返しに、ぐいと腰を掴んで強く擦り上げてあげた。
イルカ先生は、ふるふると震えながら顎を反らせると、ついに、
「これ――健康っ、パジャマぁ……あ、あぁッ!」
と叫んで、射精した。
「……はい?」
その不可思議な単語に、俺はしばしポカーンと呆けざるを得なかった。
――その後、事情を聞いたところ、俺の嫁は、飲み会で何かの景品として貰ったそれを、「健康になるパジャマ」と唆されていたのでした。
純朴な俺の嫁を騙してエログッズを使わせるなんて、なんという…! なんという事をしてくれちゃったのでしょうか…!!
全く、おかげで俺の嫁は大変だったのです。主に腰が。
だから翌日、俺はもちろんちゃんと、騙した奴らの元へ行って、一言言ってやりましたとも!
『グッジョブ、また頼む』と。